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医療現場からみた、ACP「もしもの時のために」

 とあるきっかけで「死ねない時代の哲学」村上陽一郎氏(2020年2月20日第1版)の文庫を読みました,そのいきよいで、「安楽死させてください」橋田壽賀子氏(2017年8月20日第1版)と週末読みました。様々な議論がされ続けてなかなか正解のない議論です。以前、村上氏の著書に登場する医師が薬液を注射し殺人罪に問われた事件に少しかかわり、裁判を傍聴したことを思い出した。当時はマスコミによる報道が過熱し本質が失われ、医師の人格否定やかかわった看護師に至るまで酷い報道だったことを思い出しました。

 現在、医療現場ではACP(Advance Care Planning)を推奨している医療機関が多い、なぜか?国が動きだしたからである。2020年の診療報酬改定で地域包括ケア病棟入院料の施設基準において「適切な意思決定支援に関する指針(いわゆるACP)を定めていること」を要件とするとされたことで、各医療機関が取り組みを進めてきた、一辺倒りのひな形で取り組む病院もあれば、組織ぐるみ、自治体とともに取り組む医療機関様々である。これまで、尊厳死、安楽死、終末期脳死判定と移植など、医療とさまざまな議論と判例の経過、一定の道筋ができた大きな一歩であるといえる。

 ACPは「もしものため」にという日本語で患者本人、家族が意思決定が出来なくなったときに備えて、本人に代わって意思決定をする人を決めておくプロセスを意味します。APCは医療・ケアの方針を、繰り返し話し合うこととされています。医療者は日常診療の場面・場面で見直しを促し方針を話しあう機会を作ることで、地域包括ケアが実現すると考えます。今回診療報酬の施設基準に取り入れられたのもそういった意味合いが強いと考えられます。医療機関や介護施設がこれらの取り組みにどう取り組むかによって、今後医療・介護経営に影響があることは言うまでもないと思います。

 個人的見解ですが、35歳以上で健康診断を年1回受ける機会がある方が多いと思います。その時に健康診断の結果とともにACPを考える機会があってもいいと思います。これまでたくさんの人の死を見てきました、大勢の家族に看取られるかた、身寄りのないかたなどや、家族の反応も様々です。その人の「人生の物語」によって迎える死も物語の一部だなと考えています。

Narrative・・・ 物語を形に

久しぶりに、改めて人の死について考えされられた文庫でした。

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